YoinoTama

KIEN

フルネーム

王家が去り、入れ替わりでシグドルが戻ってくるとガイダンスの終わりを告げ、學生達はやっと終わったと言わんばかりの表情でそそくさと音ノ間を後にする。「キエン、私達も帰りましょ!」「俺少し残るよ」「そう?じゃあ先に帰ってるわね」「おう、悪いね」 ...
KIEN

ローニア家

正面に見えていた規格外な広さの階段を上ると、校舎の入り口より一回り小さい扉が待ち構えていた。 あるもの全てが巨大なこの街に慣れてきたキエンは、扉の模様なんかに見惚れる生徒達を次々に避けては抜かし、さっさと音ノ間の中へ入った。 短いトンネルを...
KIEN

王立シュメルガ學園

その後、エルファに送られ家に戻ったキエンは、さっきの出来事は何だったのか、それだけがずっと頭の中で駆け回っていた。そのまま時間だけが経過し、気づいた頃には窓の外が暗闇から淡い水色へ変わりかけていた。(キエン…………)(なんだ?)(起きて……...
KIEN

深夜の顔

あれから6日が経った。 最初の二日間、キエンはナムと一緒にカレッズトン通りへ出向いていたが、それ以降は自室で惰眠を謳歌していた。「ケーキ屋さん行ってくるわね〜!」 下からナムの声がする。ナムは飽きずに今日も街へ出掛けるらしい。キエンは真っ白...
KIEN

ティフィケッツ

ディンドンディンドン! 翌日、キエンは未知の音によって強制的に起こされた。目を擦り、大きく伸びをし真っ白な天井を見つめ、今シュメルガにいることを再認識した。「何だよ朝から……」 キエンがベッドの真横にある丸い窓から顔を覗かせると、隣の部屋の...
KIEN

先の見えない空

一行は店の右端の円卓に腰かけた。キエンの正面の椅子を引いたアルファは姿勢よく腰掛け、その横のエルファは反対に、脚を組んで背もたれにドンと寄りかかった。 テーブルの上、全員の目の前にはナイフとフォーク、スプーンに箸、それと両手のひらサイズの透...
KIEN

キシャル通り

色とりどりの建物を彩るオレンジの街灯が、通りの両端に均等に並んでいる。ナムは首が取れそうなほど左右を見渡し、それを後ろからクウが真似していた。「ここがキシャル通りだ、と」 そのキシャル通りには、歌や踊りを披露する人、掃除してる人もいれば寝て...
KIEN

新天地

急降下し、止まることを知らない船は、さらに速度を増しながら地上へと向かって真っ直ぐ落ちていく。 キエンはこのまま墜落するようにしか思えず本能で目を閉じた。(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……)「きゃあぁぁぁぁぁーー!!!!!」「バウ!バウ!」 ナムが...
KIEN

始まりの夜

船は雲の中にいた。キエンは船尾の甲板でうつ伏せになり、船べりから腕を伸ばす。地上から見えていた柔らかそうな綿状の塊を掴もうとしていた。だが、それは想像していたモノとは全く違い、触っても感触がなく、湿った空気で手が濡れるだけの空に浮いた霧に過...
KIEN

旅立ちの時

小屋に着くとドゥアールクは周囲を見渡し、安全の確認ができると三人は中に入った。ドゥアールクが腰を下ろすとナムも少し床を気にしながら座った。キエンはドアの目の前に立ったまま早々に話し始めた。「皆は?!」「ググが守ってくれたわ……マントの人がグ...